料理をすると思い出す人

日曜の夕方近く。昨日のうちにほとんどの週末分の家事を終え、今日はのんびりと過ごしていた。

 

最近、家の近くに安い八百屋が出来た。定番の野菜はだいたいいつもあるけれど、たまにしか入らないものもたまにあって、その時折の出会いがある。

なので訪れるのが楽しみだ。

昨日、買い出しに行ったら、カツオ菜があった。今まで目にしていない野菜だ。

大きくて分厚い深い緑色の葉っぱが四枚入っていて、150円。こんなに大きいのに安いな〜と思って、購入。お家計のときにレジのお姉さんに調理法を聞いたら、鶏肉やしめじと煮込んだり、甘辛く煮込んで卵でとじても美味しいと。

福岡はお雑煮にも入れるよ、とのこと。

うちは母がたの実家のあった島原風の具雑煮を受け継いでいるので、雑煮はないな、と考えた。

 

 

本日の昼食の時間。パスタでも茹でようと、考えて、ほうれん草(今時期べらぼうに高いのに件の八百屋では170円で一束買える)とベーコンのパスタにするかな、と思いついた。

ああ、でもカツオ菜もあるなぁ、半分は甘辛く煮込んで卵でとじて、もう半分はパスタにするか、とレシピサイトを検索した。

 

ツナとカツオ菜のパスタのレシピが出てきた。これは美味しそう。

昨日、チューブ入り明太子を買っていたので、それを加えても美味しいだろうと思い、初めて作る料理なのに、アレンジしてみる。

 

出来上がり、食べてみる。うまい。

これは天才だね、お店で出せるね、なんて言いながら食べた。Hさんも美味しい料理を作ると一口、口に入れた瞬間に「美味い」と言うのだが、今回も食べてすぐに言った。手応えを感じる。よしよし。

 

満腹になって、食器洗いもそこそこに昼寝して起きた。

食器を片して、ご飯を炊く。今日は父のお手製干物を焼いて、豚バラ大根と、カツオ菜の卵とじと、ほうれん草のおひたしと、白菜と肉団子のスープを作る。

 

 

このところ料理が楽しい。味を考えたり、調味料を選らんでみたり。

材料を今月の食費の予算内に収めて、なおかつ美味しいおかずを作ると、よくやったと感じる。

結婚三年目、もうすぐ四年目になるもんな、成長だな、と思う。昔は料理すると疲れていたのになぁと思う。今では懐かしい感覚だ。

 

 

料理をしていると思い出す本がある。

よなかの散歩 (新潮文庫)

よなかの散歩 (新潮文庫)

 

 

職場がリフレッシュルーム用にオレンジページを定期購読していて、暇な時にパラパラっとめくって読んでいる。角田さんはこの雑誌にエッセイを連載している。軽い読み口で、昼食を終えて、午後からの仕事へ気持ちを区切る前に読むと安心する。

角田さんは10年ほど前、学生だった頃によく読んでいた。『人生ベストテン』が好きだ。最近の小説は読んでいないな。そのうち読もう。

このエッセイのとうとうとして、なのに読みやすい。角田さん独自の言い回しと、読点の配分が好きだ。そして、角田さんならではの視点で見える世界が大好きだ。

私もそう思ってた、そうそうと思うような話が的確な文章で載っていて、興味深い。自分では思っていても文章に表せないことをするっと書いてくれる。

 

 

まひるの散歩 (新潮文庫)

まひるの散歩 (新潮文庫)

 

これは今注文している。読むのが楽しみだ。