ろくでなし啄木 東京芸術劇場 中ホール

ホリプロ御用達の銀河劇場ではなく、野田秀樹が芸術監督をする東京芸術劇場へ。
佇まいからして、たいしたもんです!中も美しい。

三谷幸喜の作品で好きな作品は?と言われると『HR』と『古畑任三郎』と『新選組!』と答える私です。
今回のキャストは『新選組!』のときの中村勘太郎吹石一恵藤原竜也の三人。同じ年頃の役者です。

啄木の石碑を前にして、12年前にひょっこり姿を消した啄木(藤原竜也)のことを富さん(吹石一恵)タツさん(中村勘太郎)が思出話で語る物語。
富さんの気持ちとタツさんの気持ちを誘導することで、自身の願いを叶えようとする啄木。そこに人情と悪意が交錯するのだけど、悲しい事件にはならない。
むしろ、富さんやタツさんの優しさに触れ、途方にくれた一夜から、啄木は自分自身への言い訳にけりをつけ、自分の為すべきことに向き合うようになる、というわけです。

観終わって、頭のいい人は言い訳が上手で小賢しいけど、今やることに向き合い懸命に生きる頭の悪い人の方が何だか胸はって過ごしているよねぇと思いました。
屁理屈こねてないで、生きることにそして生きていく上で向き合わないといけないことに立ち向かう姿勢の大切さを改めて実感しました。

それにしても勘太郎の褌姿が凛々しかった。
藤原竜也はスクリーンで観ると大仰な芝居に見えますが、舞台で観るとしっくりはまるもんです。

多いに笑いました!