たそがれる

曇り空。もうすぐ雨が降る。私の気持ちもどんよりしている。

またHさんと喧嘩した。というか一方的になじられた。私は黙ってうなだれていた。
Hさんは今体調が良くない。もう一ヶ月くらいこの調子だ。それでも無理して仕事には行っている。働き始めて半年経っていないから有休もついていない。いや、ついても取得できそうな職場ではない。しんどいだろう。

私は元気だ。一時期体調を崩して欠勤していたが、快復した。今の職場はもうすぐ在籍丸四年になる。有休も取得しやすい。体調にも職場にも恵まれている。



家事の分担とか、金銭感覚とか、夫婦の時間、一人の時間。
お互い理想がある。それと食い違う現実もある。そこに折り合いつけてやっていくしかない。


でも疲れて怒っているHさんはその折り合いのつけ方を理解しようとしない。
自分の不機嫌ばかりをぶつけてくる。

夫婦の関係においてどちらか片方が一方的に悪いことはない。双方が悪いから揉める。
Hさんはそれがわかっていない。


私はネチネチ言われて、ワーワー責められる。
怒りで我を忘れているときは、自分が何言っているかわかっていないんだろうな。そう思って諦める。

結婚は諦めも肝心だと思う。
忍耐も必要だと思う。
私は今試されているのだろう。まぁ、そんなもんだろう。


Hさんが今、私にしていることはかつて私が両親にしていたことだ。
自分がしたことはいずれ返ってくるものだね。だから悪いことは出来ない。

はちゃめちゃで自分のことしか考えない。
それは自分がしんどい状況にあるから。そこにしか目を向けられない。

SOSを怒りでしか発せない。そんな状態だ。わかってる。けど辛い。
まぁHさんが我にかえるまで静観しておくほかないね。私もこんな時期あったな、って思う。

昔の気持ちをこのブログに綴ってた。
しんどいときは想いを文字にすると心が軽くなった。問題は解決しないけど、軽くもならないけど、きっとまだ大丈夫。


一番辛かった9年前、私は苦しんでいた。
今もしんどい。
でも一番辛かったときからすると心も逞しくなって鈍くなった。そして寛容になった。


二十代のトゲトゲした感受性のままだったら、Hさんとは破綻していただろう。
受け止めよう。大切にしよう。慈しもう。今はそう思える。


怒りでしかSOSを発せなかった私が求めていたのは、無条件に受け止め肯定してくれることだった。
そんな母みたいな対応を伴侶にするのはこれいかに。と思うけど、大切な人だ。


これは本当の彼の姿ではない。
今は疲れているから、こうなったんだ。


私も怒りの呪縛から解き放たれて楽になった。
Hさんにもそんな日が早くくることを切に願う。
その日まで私の心が保ちますように。