『悪人』は学生時代に挫折した一冊なのだけど、映画化されること、舞台が博多も含まれることを知り、文庫で購入。学生時代は学校図書館で借りて、何故か読めずにいた。
元々、吉田修一の作品が好きで『パークライフ』以後は一時期新刊のほとんどを大学図書館でリクエストして読んでいたような…。
通学時間が一時間あるから、電車の中でいつも何か新刊本を借りては読んでいたのが懐かしい。
最近は電車で移動することが少ないので、読む時間も激減している。
電車で読書に慣れて、自分の部屋で読書ってマンガばかりだったように思います。
これからは市民図書館に行って、吉田修一の未読本を網羅したい。
- 作者: 吉田修一
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2009/11/06
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上巻の終わり方を読んで、これは続きを明日買わねば…。と思った。
下巻の表紙になっている女性キャラの抱える孤独感に非常にシンクロしてしまって、泣きそうになりながら読んだ。切ないし、辛い。この小説のキーワードの「三瀬峠殺人事件」は上巻・下巻の表紙キャラ達ではどうにもできないよ、どうにかなってよ。と思いながら読んだ。
『悪人』の中の誰か一人が「悪人」って感じじゃなくて、登場するキャラに歪みがあって、その歪みが生々しかった。
悪人って何だろうなぁと改めて思ったな。
二人の登場人物に共通して言える「抱えている孤独感」にはやられた。やっぱ男も女も年齢上がってからの孤独感はこたえるんだよね。
家族もいて、友人もいて、独りじゃないはずなんだけど、独りのような気がしてね。それは恋愛してないからか?恋愛していても独りぼっちな感覚でいるのと、恋愛していても孤独なのってどちらがいいんだろ?
自分自身の経験だと、恋愛って燃え上がった後の燃えカスがいつまでも残っている。
美化も出来ないし、捨てきれないし、かと言って思い出してみようとすると燃え上がったカスしか残ってないからキレイなとこないよなぁと思います。
何をここまで正直に書いているんだと思う27歳。